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股関節の痛み・人工股関節


股関節の痛み

ほとんどの場合、変形性股関節症が原因となり、発生します。変形に至る要因としては、主に、先天性の臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)や、後天性のペルテス病などがあります。また、その他にも大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)などが要因となります。

変形性股関節症

変形性股関節症は、股関節の形の異常や老化が原因で、股関節が徐々に変形していく病気です。痛みや動きの制限を伴います。発症すると加齢とともに悪化し、進行してしまうと元の状態に戻すことはできません。

臼蓋形成不全

骨盤の外側にある凹んだ部分である寛骨臼(かんこつきゅう)の土手の部分を臼蓋といいますが、その形成が不完全なために、大腿骨側の軟骨に摩擦が生じて軟骨が磨り減ります。その結果、股関節が変形して炎症が起きておこるのが臼蓋形成不全になります。この病気は自分が臼蓋形成不全であることに気づきにくく、年齢を重ねて、軟骨が擦り減ってしまってた中高年になって痛みがでる場合が多いです。

大腿骨頭壊死

進行してしまうと、変形した骨頭部分が臼蓋を傷付けてしまい、臼蓋にも変形が起こって変形性股関節症を発症してしまいます。

後天性ペルテス病

大腿骨の骨頭の血行が悪くなり、壊死してしまう病気。3~8歳の活発な、小がらな男の子に多くみられます。

股関節の痛みといっても原因は様々

股関節の痛みが大きいから、手術をした方が良いか聞かれることがよくありますが、股関節の痛みにも種類が様々です。大きく分けて股関節由来のものと腰椎由来のものがあります、もちろん他の原因もありますが、このどちらかあるいは両方の原因によるものがあります。またその痛みを完全にどちらかと言うことは不可能です。
股関節がレントゲン上悪くても、腰椎が原因のため症状が出ていることがあります。そのとき単に股関節の手術をやってもよくはなりません。

股関節の痛みに対する治療

膝関節は大腿骨・脛骨・膝蓋骨と3つの骨で構成されている人体の最大の関節です。それぞれの骨の表面を軟骨が覆っており、痛みなくスムーズに歩くには軟骨の機能が重要になっています。
長年の歩行や運動により、もしくは関節リウマチなど関節変形を引き起こす病気によりこの軟骨は徐々に摩耗し擦り減っていきます。すると、軟骨の下にある骨が徐々に変形し、やがて膝関節全体が変形していきます。膝が変形すると動きの悪さや歩行時・階段昇降時等に痛みが生じ、徐々に日常生活に悪影響を及ぼしていきます。
膝関節の変形による痛みに対する治療としては、痛みの程度や患者さんの希望により体の負担が少ないものから行うことが通常です。まずは①痛み止め内服・湿布等外用薬の使用・関節内注射・リハビリテーションといった保存的加療を行います。それでも痛みが続く場合は②入院・麻酔をして膝にカメラを入れ、膝関節内の痛みを引き起こす滑膜等の掃除を行うこともあります。それでも痛みが取れない、痛みが強い場合は人工膝関節置換の適応になります。

手術を考える時期

  • 痛みあるいは動きが悪いため日常生活の障害が大きい場合
  • 年齢としては目安として60歳~80歳(基本的には元気な患者さんでしたら年齢は問いません。)
  • 当センターでの人工股関節の最高齢93歳(杖歩行で退院する。)
※レントゲンで悪いからといってやらないといけないわけではありません。

人工股関節置換術(THA)

悪くなった股関節を人工の関節で置き換え、股関節が悪くなった場合の最終手段の手術です。基本的には60歳以上が適応年齢とされているが、股関節の状態、日常生活の障害程度により40歳以上で他に方法がないとき適応としています。

より小さい切開での手術

人工股関節置換術手術は最近まで後方進入が一般的でしたが、最小侵襲人工股置換間接術(MIS-THA)が広まっています。
  • 人工股関節置換術の欠点である脱臼を少なくする
  • ソケットの設置角を安定化する
以上2点を改善するために前方アプローチ(DAA:Direct anteriorapproach)が最近広まっています。

前方アプローチ

股関節の前方から侵入することで、切開を最小限にし、かつ筋肉を切ることなく手術ができるのです。筋肉の付着部をはがすということはありますが、筋肉をざっくりと切ることはありません。
そのため、体の負担が少ないとされており、当センターは基本的には前方アプローチで行っています。
特殊な場合は、手術の安全性などを考慮し、後方進入を選択することもあります。

皮膚縫合について

当センターTHA手術において基本的には創が綺麗で抜糸の必要がない埋没縫合を行っております。

合併症

手術の合併症

  • 一般的な手術の合併症 一般的には年齢が高いほど、他の病気があればあるほど手術の危険性が高くなります。
  • 感染:手術中に細菌が入る。一度感染すると細菌をなくするのがやっかい。
  • 出血:自己血貯血(前もって血を採ってためておく)、術中回収血(手術中の出血をきれいにして戻す)
  • 肺梗塞、肺塞栓
  • 薬剤のアレルギー

手術後の合併症

  • 脱臼
  • 人工関節のゆるみ・耐久性

人工関節で使われるインプラント

臼蓋ソケット(socket)

人工股関節の臼蓋側の受ける方で金属で出来ている。主にスクリューで固定される。 骨と接する方は細かい凹凸があり、骨が入り込んで固定される。

ライナー(liner)

ソケットの内側にあり、摺動面があり、従来はほとんどHDP(High Density Polyethy lene)であったが、摩耗・ 耐久性の問題より、セラミックのものもあり、現在は症例に応じて使い分けている。

インナーボール(Inner-ball)

球形の物でライナーの中で動き金属で出来ている。以前はφ22mmのものが多かったが、現在大きい方が可動範囲が大きく、脱臼を生じにくいため大骨頭を用いる傾向である。当院では現在おもにセラミックのφ32を用いている。

インプラント種類

ステム(Stem)

数種類の形状が有り多くは近位部(頭に近い方に)にPorus(金属の凹凸)がありそこに骨が入り込んでしっかりとした固定を得られる。当院ではタイプによってステムを使い分けている。

特殊な人工股関節 Plate併用人工股関節

大腿骨骨幹部の骨髄を触らないため再置換の際に有利50歳以下の患者に適応。
一時使えなくなったが、いまは同じタイプのモノが使用可能です。

Plate併用人工股関節

人工関節置換手術の流れ

入院前

  • 手術の決定 手術日の決定
  • 入院時一式検査…手術日より3ヵ月以内
  • 貯血(1回目)400ml
  • 股関節CT撮像
  • 貯血(2回目)400ml(Hgb 14以上の患者さんは貯血1回のみとしている。)
  • 骨の状態により骨塩定量

入院

  • リハビリ受診
  • 手術
  • 術翌日:ベッドサイド端座
  • 術翌々日:起立・全荷重歩行開始
  • リハビリ開始:平行棒内歩行・歩行器歩行・杖歩行・階段訓練
  • 術後2~3週:退院
※当院では人工股関節の手術のパンフレットを作っていますので希望の患者さんに配布しています。

入院期間

入院期間は当センターは3週としていますが、施設によりまちまちです。
短いところでは2週以内と言うところもあります。当センターでは歩行開始時期を術後2日としています。その理由は開始時期が早いほうが良いのですが、すぐだと痛いと考え2日としています。
またリハビリの進みぐあいは一般的には年齢が若いほうが早いです。当センターは高齢者の患者さんが多いため、標準的な入院期間を3週といたしました。
また筋力がかなり落ちている患者さんはかなりリハビリ期間がかかるためその場合は、リハビリ専門病院の転院を勧めています。
その場合はケースワーカーが責任を持って探します。

人工関節再置換術

悪くなった人工股関節股関節を、再び人工の股関節で置き換える手術です。臼蓋側のゆるみ、大腿骨側のゆるみあるいは人工股関節の破損などにより、人工股関節が正常でないとき行う臼蓋側のみ、大腿骨側のみ、あるいは両方、他に人工股関節の関節面のみ交換する方法があります。

当院を受診するためには紹介状が必要です

基本的にはかかりつけ医を受診し紹介状をもらい当センター外来にいらしてください。済生会横浜市南部病院整形外科にかかられても、人工関節の患者さんは当センター外来にかかることが出来ます。

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センター長 吉田宏医師が「関節が痛い. com」で人工股関節全置換術について詳細を話しました。こちらもご覧ください。