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当院のがん診療体制



センター長挨拶

がん診療支援センター長
長谷川 誠司 医師

日本では現在3人に1人ががんで亡くなられています。そのため平成18年にがん対策基本法が制定され、それに基づきがんの予防および早期発見の推進、がん医療の均てん化の促進、研究の推進が図られています。横浜市においても「がん撲滅対策推進条例」が平成26年10月1日から施行されました。

当院は平成25年4月に専門的ながん医療の提供を行うとともに、がん診療の連携体制の整備、がん患者に対する相談支援、情報提供を行う病院として神奈川県がん診療連携指定病院に指定されました。また平成27年4月に横浜市小児がん連携病院に指定されました。当院では医療の情報共有と高度医療の提供、がん診療体制の充実および地域との連携活動を推進することを目的としてがん診療支援センターを設置しております。

運営方針は①高度医療から緩和医療までの集学的治療、②診療体制の充実、③切れ目のない医療を行うための地域連携、④情報提供、⑤研修会の実施、⑥臨床研究の推進を図ることとし、メンバー医師、看護師、薬剤師、メディカルソーシャルワーカー、管理栄養士、診療情報管理士、事務局などの他職種が参加しています。
具体的にはキャンサーボード・合同カンファランスの開催、がん地域連携パスの推進、がん化学療法レジメンの管理、緩和ケア、相談支援、院内がん登録、院内外医師向けの研修会の開催、市民公開講座の開催、緩和ケア研修会の開催などを業務内容として院内外のがん診療をサポートし、患者さんや地域医療機関に信頼していただけるようながん診療を行えるよう取り組んでいきます。

センター概要

済生会横浜市南部病院は、「神奈川県がん診療連携指定病院」に指定されています。
「神奈川県がん診療連携指定病院」とは、専門的ながん医療の提供を行うとともに、がん診療の連携体制の整備、がん患者に対する相談支援、情報提供等を行う病院で、神奈川県が指定するものです。
当院では、連携指定病院に指定されたことを受けて、「がん診療支援センター」を設立し、がん医療の情報共有と高度な医療の提供、がん診療体制の充実および地域との連携活動を推進することを目的として活動しています。
当センターは、診療機能、情報提供、研修体制、臨床研究の4つの部門で組織されていて、それぞれの部門は下記の機能を持っています。

がん診療センター組織図

当センターは、「診療機能」「情報提供」「研修体制」「臨床研究」の4部門で組織されており、各部門は下記の機能を持っています。

診療機能

がん診断および治療方法について主治医以外の第三者の医師が意見を提示するセカンドオピニオン外来を設置しています。
がん診療連携指定病院と地域の医療機関等が共同してがん診療を行うがん診療連携パスを整備、実施しています。
がん化学療法を審査・管理し、キャンサーボードと連携しています。
複数の診療科による臓器別カンファレンスを行い(キャンサーボード)、患者さんの病態に合った集学的・標準的治療を目指しています。
適切な緩和ケアを行うため、緩和ケアチームが活動しています。

情報提供

がんやがんの治療に関する情報、セカンドオピニオンや緩和ケア、療養生活の疑問や不安、経済的な問題や就労に関する相談などについて専門のスタッフが対応しています。
2007年より院内がん登録を実施しています。当院でがんと診断し、治療を行った患者について、がんの診断、治療、予後に関する情報を登録しています。登録された情報は、地域がん登録に届出をしたり、国立がんセンターに情報提供することで国のがん対策に協力しています。
地域住民を対象としたがん検診・がん予防・がん診療に関わる公開講座を行っています。

研修体制

がん医療に携わる医師、看護師、薬剤師を対象とした緩和ケアに関する研修会(PEACE研修会)を開催しています。
診療連携を行っている地域医療機関との合同公開カンファレンスを開催し、連携した患者の治療方針や経過などの情報交換・検討を行っています。
地域医療機関の医師を対象にした早期診断、がん治療による副作用対応などの研修会を開催しています。

臨床研究

がん治療の標準化、治療成績の向上を目指して、多施設共同臨床試験が行われています。大腸がん、胃がん、成人白血病、小児白血病の分野で積極的に参加しています。

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横浜市小児がん連携病院

小児科・新生児内科主任部長
田中 文子 医師

診療技術の進歩により今や小児がんの7-8割が長期生存し、若年成人の700人に一人は小児がん経験者と言われる時代となりました。とはいえ現在もなお小児がんは小児の病死原因の中で最多です。小児がんは成人のがんと比較して進行が速く、種類が多く、年間発生数も2000-2500人と患者さんが少ないことから、すべての病院で専門性の高い診療を行うことは困難です。

横浜市では2014年に「横浜市がん撲滅対策推進条例」が制定され、2015年4月から医療局が設置され総合的ながん対策を推進する中で、小児がんの診療実績のある市内4つの病院を「横浜市小児がん連携病院」に指定しました。当院もこの横浜市小児がん連携病院の1つとして指定され、地域の中で連携をとりつつ診療する体制が始まりました。

これまでも白血病をはじめ一部の固形腫瘍の患者さんの診療にあたっていましたが、今回指定を受けたことで早期診断・早期治療に加え、こどもの成長に必要な保育や教育にも力を入れ、また長期フォローアップを含めた総合的診療に取り組んで参ります。

キャンサーボード

キャンサーボード(Cancer Board)とはがん(Cancer:キャンサー)患者さんの状態に応じ、適切な治療を提供するために病院内で開催される検討会のことです。

がんの治療には手術、放射線療法、化学療法などがあります。またひとくちに「がん」といっても発生する臓器が異なれば性質や治療法は全く異なる病気です。がんの性質や進行具合により最善の治療法は全く異なります。キャンサーボードでは手術、放射線療法、化学療法にかかわる専門的な知識や技術を持っている医師や、CTやMRIなどの画像診断を担当する医師、最終診断である病理診断を担当する医師、緩和ケアに携わる医師、看護師、薬剤師などがん医療に携わるさまざまな専門職が職種を越えて集まり、がん患者の症状、状態、診断や治療法の組み合わせなどを意見交換・共有・検討・確認をしています。

どの程度まで手術をすべきか、いつからどのように抗がん剤を始めるか、抗がん剤の副作用時にはどのように対処したらいいのか、放射線治療はいつから始めたらよいのか、精神的なケアはどうしたらいいのかなど具体的に話し合います。

他にも重症の病気をあらかじめ持っていたり、複雑な病態を持っている(妊婦も含む)患者さんや、1人で複数の臓器のがんを持っている患者さん、最終診断医の病理医が診ても診断の確定が難しい患者さんについて話し合います。

当院では胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がんなどの消化器、肺がんなどの呼吸器、子宮がんや卵巣がんなどの婦人科疾患、乳がんなどの乳腺疾患に関してキャンサーボードが週に一回程度定期的に行われています。

治療方針の決定に大勢の医療専門職が関わることで複数のチェックが可能となり、患者さんは安心して安全な医療が受けることができます。