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ロボット支援手術のご案内


ロボット支援手術とは

患者さんへの負担が少ない低侵襲の鏡視下手術(腹腔鏡下手術・胸腔鏡下手術)にロボット機能を組み合わせたものです。術者が操作台に座ってロボットを操作し手術を行います。
手術支援ロボットは様々なメーカーから販売されており、当院で扱うのはダビンチ(da vinci Xi)というロボットです。

ダビンチ(da Vinci Xi)とは

米国インテュイティブサージカル社が開発した世界初の手術支援ロボットです。最先端技術を応用して開発された、外科医が行う低侵襲手術を支援する製品の名称です。

ダビンチはロボット本体と操作台、助手用のモニターで構成され、ロボット本体に3本のアームと1本のカメラが装着されています。

画像はダビンチ(da Vinci Xi)

ダビンチを使用したロボット支援手術のメリット

術者のメリット

鉗子に7つの関節があり270°の可動域を有する為、人の手よりも大きな可動域が確保出来ると同時に手ブレ防止機能によってより正確で繊細な手術操作が可能になります。これにより、周囲の血管や神経を傷つけるなどのリスクを減少させることができます。
また、鮮明で立体的な3Dモニターで術野を10倍まで拡大して見ることが出来る為、生体の微細な構造を見ながら手術を行うことが可能になりました。
開腹手術     腹腔鏡手術    ロボット支援手術
手ブレ防止 × ×
アーム可動域               <
モニター 2D 3D
滅菌ガウン 必要 必要 不要
体制 立位 立位 座位
モーションスケール × ×

患者さんのメリット

傷口が小さくなることによって、術後の痛みの軽減や回復速度が早くなり早期の社会復帰が目指せます。
また、繊細で緻密な動きにも対応できるダビンチを使用した手術では、病変部位の周囲を傷つけるリスクが減ることで、機能温存率の向上も見込めます。

5つのメリット

1.傷が小さい
基本的に胃や大腸の開腹手術では腹部を20~30cm切開しますが、内視鏡手術は1cm程度を数か所、4~6㎝程度を1か所の切開で済むため傷口が大幅に小さくなります。

2.出血が少ない
開腹手術と比べて出血量は極めて少なく、術中に輸血が必要なケースは極少数です。

3.痛みが少ない
大きくお腹を切る開腹手術と比べ、1cm程度の傷が数か所と4~6㎝程度の傷が1か所の為、術後の皮膚や筋肉を切開した痛みが軽減されます。

4.回復が早い
胃腸や運動能力(歩行など)の回復が早いです。術後の回復が早いことにより、早期の退院や社会復帰が実現可能となりました。

5.機能温存率が高い
手ブレ補正やズーム機能により、繊細かつ緻密な動きに対応出来ることで、病変部位の周囲を傷つけるリスクが減少します。
これによりロボット支援なしの内視鏡手術と比べても機能温存率の向上が期待出来ます。

デメリット

・実施できる手術が限られている
・場合によっては開腹(開胸)手術に移行することがある。その場合は通常の開腹(開胸)手術よりもリスクが高まる
・開腹(開胸)手術よりも時間がかかる
開腹手術     腹腔鏡手術 ロボット支援手術
傷口 大きい 小さい(4か所)  小さい(5.6か所)
出血 多い 少ない~中程度 極少ない~少ない
術後の痛み 強い 少ない 少ない
術後の回復 遅い 早い 早い
合併症のリスク 中程度~高い 低い~中程度 低い
機能温存率 低い 中程度 中程度~高い

南部病院のロボット支援手術

 済生会横浜市南部病院は、この地にお住まいの皆さまに、より高度で安心・安全な医療を提供できるよう、手術支援ロボットの導入を決定いたしました。2024年12月よりロボット支援手術を開始いたします。適応科、疾患は順次拡大予定です。これにより、住み慣れた地域で、新世代の手術治療を受けていただくことが可能になります。「思いやりの心と質の高い医療で、地域の皆さまから信頼される病院を目指します」という理念の実現に向けて、南部病院は今後も進化を続けて参ります。

当院でのロボット支援手術対象疾患(予定)

診療科 主な疾患 術式 予定開始時期
外科 胃がん 腹腔鏡下胃切除術 稼働中
腹腔鏡下噴門側胃切除術
腹腔鏡下胃全摘術
大腸がん 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術
腹腔鏡下直腸切除・切断術
肝がん 腹腔鏡下肝切除術 2025年4月~
膵がん 腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術
泌尿器科 前立腺がん 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 稼働中
産婦人科 子宮がん 腹腔鏡下膣式子宮全摘術 2025年2月~
呼吸器外科 肺がん 胸腔鏡下肺切除術 2025年4月~
胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術
※予定は変更になる場合があります。
当院でのロボット支援手術の対象疾患は、稼働後随時拡大予定です。

よくあるご質問

ロボット支援手術は誰でも受けられますか?

患者さんそれぞれに合った方法を提供する為、手術歴や既往歴、患者さん個人の身体の状態によって適応外となる可能性があります。
ロボット支援手術の適応になるかどうか、詳細は担当の医師にご確認ください。

ロボット(ダビンチ)が手術をするのですか?

ロボットが自動で動くことはありません。手ブレの補正をしたり、術野を拡大してより細かい所まで見れるようにしたりと、手術者(執刀医)の動きのサポートをするのが、手術支援ロボット「ダビンチ」です。
手術者(執刀医)が動かさない限り、ダビンチが動くことはありません。
※ロボット支援手術に関する問い合わせはおかかりの主治医にご相談ください。