指導医メッセージ
指導医の先生方からのメッセージ
(2024年度ベスト指導医賞受賞)
糖尿病・内分泌内科 南 太一
南部病院内科では、総合内科アセスメントを大切にしています。
みなさんに、質問です。
92歳の女性。
主要な検査所見:尿所見:蛋白(-),潜血(-),血液検査所見:BUN 32.2 mg/dL,Cr 1.43 mg/dL,eGFR27mL/min/1.73m2, AST 24 IU/L,ALT 14 IU/L,T-Bil 0.5 mg/dL,ALP 165 IU/L,γGTP 45 IU/L,空腹時血糖 130 mg/dL, HbA1c6.8%, 抗GAD抗体陰性.
この腎機能低下に対して、どんな検査計画を行いますか?
推算糸球体濾過量30 mL/min/1.73m2以下の腎機能低下を呈していた。血尿や尿蛋白陰性であり、腎炎併発の可能性は非常に低いと考えたが、念のため、下記採血検査を提出した。
【追加血液検査所見】
IgG 1355 mg/dl,IgA 342 mg/dl,IgM 341 mg/dl,抗核抗体核膜型320倍,HBs抗原陰性
【胸腹部単純CT検査】肝辺縁整, 萎縮なし, 両腎に皮質の菲薄化と腎萎縮を認める.
IgAは正常域であるが、IgA腎症基準値315mg/dLを超えていて、今後の尿定性検査・腎機能を経過観察することとした。CTで両腎の菲薄化が著明であることから、腎硬化症が主病態と考えられた。
抗核抗体核膜型が320倍である事と、IgM高値である事。一般採血検査で胆道系酵素の上昇がある事から、原発性胆汁性肝硬変を疑い、抗ミトコンドリアM2抗体定量を検査すると、263.2U/mLと著明高値であった。高齢を理由に組織検査の同意も得られず、原発性胆汁性肝硬変が強く疑われるものの、診断には至らなかった。
といった具合に、軽微な検査異常であっても、有病率の高い疾患はしっかりと鑑別して、病態を把握しておくと、この患者さんが、急変した場合に、正しいアセスメントが出来て、家族が納得して、最期の時を迎えられる可能性が高くなります。
南部病院内科では、この様に、総合内科アセスメントを大切にしています。
みなさんに、質問です。
92歳の女性。
主要な検査所見:尿所見:蛋白(-),潜血(-),血液検査所見:BUN 32.2 mg/dL,Cr 1.43 mg/dL,eGFR27mL/min/1.73m2, AST 24 IU/L,ALT 14 IU/L,T-Bil 0.5 mg/dL,ALP 165 IU/L,γGTP 45 IU/L,空腹時血糖 130 mg/dL, HbA1c6.8%, 抗GAD抗体陰性.
この腎機能低下に対して、どんな検査計画を行いますか?
推算糸球体濾過量30 mL/min/1.73m2以下の腎機能低下を呈していた。血尿や尿蛋白陰性であり、腎炎併発の可能性は非常に低いと考えたが、念のため、下記採血検査を提出した。
【追加血液検査所見】
IgG 1355 mg/dl,IgA 342 mg/dl,IgM 341 mg/dl,抗核抗体核膜型320倍,HBs抗原陰性
【胸腹部単純CT検査】肝辺縁整, 萎縮なし, 両腎に皮質の菲薄化と腎萎縮を認める.
IgAは正常域であるが、IgA腎症基準値315mg/dLを超えていて、今後の尿定性検査・腎機能を経過観察することとした。CTで両腎の菲薄化が著明であることから、腎硬化症が主病態と考えられた。
抗核抗体核膜型が320倍である事と、IgM高値である事。一般採血検査で胆道系酵素の上昇がある事から、原発性胆汁性肝硬変を疑い、抗ミトコンドリアM2抗体定量を検査すると、263.2U/mLと著明高値であった。高齢を理由に組織検査の同意も得られず、原発性胆汁性肝硬変が強く疑われるものの、診断には至らなかった。
といった具合に、軽微な検査異常であっても、有病率の高い疾患はしっかりと鑑別して、病態を把握しておくと、この患者さんが、急変した場合に、正しいアセスメントが出来て、家族が納得して、最期の時を迎えられる可能性が高くなります。
南部病院内科では、この様に、総合内科アセスメントを大切にしています。
救急診療科 廣見 太郎
南部病院救急診療部の廣見です。
当院の研修医では平日日勤帯の救急外来診療(1,2年目で3か月)と②ICU診療(2年目希望者)で救急診療部に配属されます。
研修医の皆さんは、私とは主に日勤の救急外来で関わることが多いです。研修医卒業後も救急診療で困らない知識や手技を身に着けるお手伝いができればと私は考えております。院内全体で救急車を9500台程度応需しており、2年の研修の中で救急ローテは大変な方になるのではと思います。こんな大変な研修の中で、研修医の皆さんと横浜市南部地域の救急診療を支え、達成感を感じれたら本望です。
救急外来でお待ちしてます。
当院の研修医では平日日勤帯の救急外来診療(1,2年目で3か月)と②ICU診療(2年目希望者)で救急診療部に配属されます。
研修医の皆さんは、私とは主に日勤の救急外来で関わることが多いです。研修医卒業後も救急診療で困らない知識や手技を身に着けるお手伝いができればと私は考えております。院内全体で救急車を9500台程度応需しており、2年の研修の中で救急ローテは大変な方になるのではと思います。こんな大変な研修の中で、研修医の皆さんと横浜市南部地域の救急診療を支え、達成感を感じれたら本望です。
救急外来でお待ちしてます。