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対象疾患


産婦人科


子宮頸がん

症状

不正性器出血、腹痛・腰痛、下肢浮腫

検査

内診、経膣超音波検査、細胞診、拡大鏡検査、病理組織検査、CT、MRI

治療

円錐切除術、単純子宮全摘出術(開腹・腹腔鏡下)、広汎子宮全摘出術(開腹)、放射線治療、化学療法

子宮体がん

症状

不正性器出血、腹痛・腰痛

検査

内診、経膣超音波検査、細胞診、病理組織検査、CT、MRI

治療

早期がんなら内視鏡治療、手術治療、化学療法

卵巣腫瘍

症状

腹部膨満感、腹痛、息切れ、呼吸苦

検査

内診、経膣・経直腸・経腹超音波検査、細胞診、CT、MRI

治療

<良性>
経過観察、ホルモン療法、卵巣腫瘍摘出術(開腹・腹腔鏡下)、付属器摘出術(開腹・腹腔鏡下)
<悪性>
付属器摘出術(開腹)、卵巣がん根治術(開腹)、化学療法、放射線治療

子宮頸管ポリープ

症状

症状なし、不正性器出血

検査

便潜血検査、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)、CT検査

治療

早期がんなら内視鏡治療、手術治療、化学療法

子宮頸部異形成

症状

症状なし

検査

内診、経膣超音波検査、細胞診、ヒトパピローマウイルス(HPV)検査、拡大鏡検査、病理組織検査

治療

経過観察、円錐切除術、単純子宮全摘出術(開腹・腹腔鏡下)

子宮内膜ポリープ

症状

不正性器出血

検査

内診、経膣・経直腸超音波検査、細胞診、病理組織検査、MRI

治療

経過観察、子宮内膜全面掻爬術、子宮鏡下ポリープ切除術

子宮内膜増殖症

症状

不正性器出血

検査

内診、経膣・経直腸超音波検査、細胞診、病理組織検査、MRI

治療

経過観察、ホルモン療法

月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)

症状

月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます。精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。とくに精神状態が強い場合には、月経前不快気分障害(premenstrual dyspholic disorder : PMDD)の場合もあります。

検査

上記症状が月経前に毎月現れ、月経開始後には和らぐことが特徴的です。出現症状を記録し、月経周期との関連を確認し、他の疾患や精神神経疾患でないことを鑑別します。

治療

薬によらないセルフケアも重要です。対症療法、漢方、低用量経口避妊薬(OC)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)も効果的です。

月経困難症・月経痛・月経不順

症状

月経痛はストレスや月経に対する不安・緊張などの精神的な要因、子宮内膜でつくられるホルモンの影響、子宮内膜症や子宮筋腫などの子宮・卵巣の病気によるものなどがあります。月経不順の種類には、周期の異常と出血期間の異常があります。
女性ホルモンのバランスが乱れておこることが多いですが、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮がんなどの病気が原因のこともあります。

検査

まず、問診で月経の様子(周期、期間、量、痛みなどの症状や程度)をお伺いします。月経不順がある場合は、基礎体温も参考になります。その上必要と判断された場合には超音波検査や内診、子宮がん検査、血液検査を行います。

治療

月経痛は、痛みどめ、ピルなどのホルモン剤、漢方薬などを使用することで、症状がやわらぐことがあります。子宮内膜症や子宮筋腫などが月経痛をひきおこしている場合は、手術が必要になる場合もあります。月経不順がある場合は年齢やその原因により治療が必要かどうか検討します。

更年期障害

症状

更年期に現れるさまざまな症状の中で、ほかの病気を伴わず、重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗などの症状がよくみられますが、めまい、動機、頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、疲れやすさなどの身体症状や、不眠、うつ、イライラなどの精神症状まで多彩です。

検査

主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですがその上に加齢、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。まず十分な問診を行うことが必要です。また適宜血液検査を行い、ほかの病気による症状が疑われる場合は、専門医の受診をおすすめします。

治療

生活習慣の改善などを試み、改善しない症状に対して薬物療法を行います。対症療法、漢方療法で調子を整えることもあります。また女性ホルモン補充療法も有効な治療です。

骨盤性器脱

症状

女性ホルモンの低下による加齢現象、分娩の経験、生活習慣や体質的などが要因で、骨盤底の筋力が低下します。それによって骨盤の
中にある子宮、膀胱、腸などの臓器がしだいに下垂してきて、最終的に腟を通って腟壁といっしょに体外に脱出してくるのが骨盤臓器脱です。臓器の種類によって「子宮脱」「膀胱瘤」「直腸瘤」などと呼びます。入浴中などにピンポン球のような柔らかい腫瘤が触れる、尿がでにくい、脱出してこすれて出血しているなどの症状があります。

検査

問診や、視診、内診などで、診断し、その症状や性器脱のステージにより治療方針を検討します。

治療

程度の軽い場合には便秘や肥満の予防や、骨盤底筋体操も有効です。進行し症状がある人は、根本的に治療するためには手術療法が必要です。骨盤臓器脱手術にもいくつかの方法があり、その人の年齢や、程度などにより相談しながら選択します。また、手術を希望されなかったり、合併症で手術が適さない場合は、ペッサリーというリング状の装具を腟内に挿入する方法や専用の下着の装着などの、手術以外の選択もあります。

骨粗しょう症

症状

女性ホルモン(エストロゲン)は骨の健康を維持しています。若年でも長期間月経が止まっていたり、とくに閉経以降は、からだを支える骨の成分が溶け出して骨がもろくなります。これが進行した状態を骨粗鬆症といいます。骨折しやすくなり、特に高齢者の場合は寝たきりの原因になります。

検査

問診(月経、妊娠、授乳歴、薬物使用、閉経、生活習慣など)により、そのリスク因子を把握します。単純X線撮影、骨密度を行い診断します。血液,尿検査によりほかの骨量の低下をきたす病気と判別します。

治療

生活習慣の改善 : 過剰なカフェイン、アルコール摂取、喫煙は避けましょう。適度な運動も骨密度の維持や、筋力の維持にはかかせません。転倒予防、骨折予防にも繋がります。適度な日光浴を取り入れてみましょう。骨をつくる栄養素(カルシウム、ビタミンD、ビタミンK )などをとりましょう。
骨粗鬆症の治療薬 :骨粗鬆症のお薬には①骨を壊す力を抑える薬と②骨の形成を促す薬があります。個々の症状や重症度に応じて選択肢が増えています。継続しやすい方法や副作用などを相談して決めていきます。

良性卵巣腫瘍

症状

無症状のことが多い。大きくなってくると腹部膨満感や便秘。腫瘍がねじれ(捻転)たりすると腹痛。

検査

超音波検査(経腟、経腹)、採血(腫瘍マーカー)、MRI

治療

・腹腔鏡下(開腹)卵巣腫瘍摘出術・腹腔鏡下(開腹)附属器切除術
 腹腔鏡下手術とは、お腹の中に細いカメラを入れてその映像を見ながら行う手術です。開腹手術に比べて傷が小さく目立たない、痛みが少ない、入院日数が短く社会復帰が早い、術後癒着が少ないという長所があります。反面、専用の装置が必要、手術が長くなることがある、腹腔鏡特有の合併症がある、という短所もあります。また卵巣腫瘍の中には卵巣がんも含まれ、腫瘍を摘出し組織を調べることで初めて診断が確定することもあります。
 手術の方法(腹腔鏡か開腹か、どのような手術が望ましいか)については画像検査などを行い決めていきます。
・内分泌治療(内服、注射)
 一部の良性腫瘍(内膜症性のう胞、「子宮内膜症」参照)では内分泌治療で縮小するものもあります。

子宮筋腫、子宮腺筋症

症状

過多月経、月経痛、腹痛、貧血、腹部膨満感

検査

超音波検査(経腟、経腹)、採血(貧血検査等)、MRI、細胞診検査

治療

・腹腔鏡下(開腹)子宮筋腫核出術・腹腔鏡下(開腹)子宮全摘術
筋腫のみを取り除く「筋腫核出術」と子宮を摘出する「子宮全摘術」があり、それぞれ開腹もしくは腹腔鏡で手術します。(腺筋症の場合は基本的に子宮全摘術になります)
・内分泌治療(注射など)
手術以外にホルモン剤投与で筋腫、腺筋症を小さくする「偽閉経療法」も行っています。
・子宮鏡下筋腫切除術
子宮内腔に筋腫が隆起しているタイプでは子宮鏡を用いての筋腫切除術も行っています。
画像検査の結果、月経時の症状、個人のライフスタイルなどを踏まえて治療を提案していきます。

子宮内膜症

症状

月経痛、腹痛、排便痛や性交渉時の疼痛

検査

超音波検査(経腟、経腹)、採血(貧血検査等)、MRI

治療

・内分泌治療(内服、注射)
 内膜症細胞の働きを抑えるホルモン剤を投与することによって疼痛を抑えたり、卵巣内膜症性嚢腫(チョコレートのう胞)の増大を抑えます。
・腹腔鏡下(開腹)卵巣腫瘍摘出術・腹腔鏡下(開腹)附属器切除術
 腹腔鏡下手術とは、お腹の中に細いカメラを入れてその映像を見ながら行う手術です。開腹手術に比べて傷が小さく目立たない、痛みが少ない、入院日数が短く社会復帰が早い、術後癒着が少ないという長所があります。反面、専用の装置が必要、手術が長くなることがある、腹腔鏡特有の合併症がある、という短所もあります。
 卵巣内膜症性嚢腫(チョコレートのう胞)では嚢腫の大きさなどの画像所見などをもとに手術が必要か判断していきます。
 手術の方法(腹腔鏡か開腹か、どのような手術が望ましいか)については画像検査などを行い決めていきます。

不妊症

症状

避妊をせず性交渉をしても妊娠に至らない

検査

採血検査(ホルモン値など)、超音波検査、基礎体温、子宮卵管造影検査、精液検査
治療法:

治療

・タイミング指導
 超音波検査や基礎体温から排卵日を推定し性交渉のタイミングについてアドバイスします。
・排卵誘発
 当院では主に内服薬による排卵誘発を行っています
・人工受精
 自宅で採取し持参してもらった精液を子宮内に注入します。

当院では体外授精、男性因子不妊に対する治療は行っていません。

流産・切迫流産

症状

流産とは妊娠22週より前に妊娠が終わることをいう。流産にはさまざまな病態があり、原因や症状、進行具合などにより分類される。
切迫流産とは流産の手前の状態をいう。切迫流産は妊娠継続できる可能性がある。
おもな症状は性器出血や下腹部痛であるが、症状が全くなくても流産している場合もある。
流産が進行すると胎児、および付属物が排出される。

検査

腟鏡診、超音波検査(胎嚢の確認、児心拍の確認など)、妊娠反応(hCG測定)

治療

流産や切迫流産では有効な対処法がない。流産診断後には治療として、子宮内容除去手術を行う場合と、自然排出を期待する場合がある。

早産・切迫早産

症状

日本では妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産を早産という。
切迫早産とは早産となる危険性が高いと考えられる状態のことをいう。子宮収縮が規則的かつ頻回となり、子宮頸管の長さが短縮したり、子宮口)が開大する。

検査

内診、腟鏡診、超音波検査、ノンストレステスト、腟分泌物検査、血液検査

治療

切迫早産では、安静、子宮収縮抑制剤投与、抗菌薬投与など。早産にいたる可能性が高い場合には新生児呼吸窮迫症候群を防止するための母体ステロイド薬投与をする場合がある。

頸管無力症

症状

症状がなく子宮口が開きやすい状態を子宮頸管無力症という。

検査

超音波検査、ノンストレステスト、腟分泌物検査

治療

状況により頸管縫縮術(シロッカー手術、マクドナルド手術)を行う場合がある。

妊娠糖尿病

症状

妊娠糖尿病とは妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常のことをいう。
血糖のコントロールが不良である場合には先天奇形や、流産、羊水過多症、巨大児、新生児低血糖など母児に様々な合併症が生じる可能性が高くなる。

検査

妊娠の早い時期に随時血糖をはかり、これが高いときにはブドウ糖負荷試験を行う。
<診断基準>
75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断
①空腹時血糖≧92mg/dL
②1時間値≧180mg/dL
③2時間値≧153mg/dL

妊娠初期に陰性であった人も、妊娠が進むにつれ血糖を下げるインスリンというホルモンが効きにくくなるため、妊娠中期(24~28週)にもう一度スクリーニング検査を行う。

治療

血糖の厳重な管理が必要であり、食前100mg/dl未満、食後2時間120mg/dl未満を目標に管理する。妊娠中は運動療法が困難であり、まずは食事療法を行う。食事療法で血糖管理が不十分な場合にはインスリン注射を用いる。経口糖尿病薬は現時点では児への安全性が確立しておらず、使用しない。

妊娠高血圧症候群

症状

妊娠時に高血圧(収縮期血圧≧140拡張期血圧≧90)を発症した場合、妊娠高血圧症候群という。
血圧上昇、蛋白尿、けいれん発作(子癇)、脳出血、肝機能・腎機能障害となる場合がある。また、胎児発育不全、常位胎盤早期剥離、胎児機能不全、胎児死亡などを引き起こす場合がある。

検査

血圧測定、尿検査、体重測定、血液検査、超音波検査

治療

根本的治療は分娩(妊娠の終了)であるが、早期に発症した場合には、妊娠週数に応じて対症療法を継続することがある。対症療法としては血圧を下げる降圧薬の使用や、けいれん発作(子癇)予防の硫酸マグネシウムの使用が考慮される。

常位胎盤早期剥離

症状

正常位置付着している胎盤が、妊娠中または分娩経過中の胎児娩出以前に子宮壁より剥離することを常位胎盤早期剥離という。典型的な症例では、突然の下腹部痛とそれに続く持続的な子宮収縮を認める。多量の性器出血を認める場合もある。胎児の状態は胎盤剥離の重症度により異なるが、低酸素症による胎児機能不全から急速に胎児死亡にいたる場合もある。

検査

超音波検査、胎児心拍陣痛図、血液検査

治療

母児ともに、死亡率の高い疾患であり、診断した場合には急速遂娩を考慮する。

妊娠悪阻

症状

妊娠中に吐き気、嘔吐の症状が増悪し、食物摂取が障害され、脱水、栄養障害、電解質異常を起こし、治療が必要となった状態を妊娠悪阻という。原因は明らかでないが、妊娠中に著増する卵胞ホルモン、黄体ホルモン、hCGの上昇が関係しているといわれている。

検査

血液検査、尿検査など

治療

必要に応じて、入院、安静、脱水症状に応じて、補液を行う。ビタミン欠乏に注意が必要である。

異所性妊娠

症状

受精卵が子宮腔内以外の部位に着床し、発育した状態をさす。部位により卵管妊娠、卵巣妊娠、頸管妊娠、腹膜妊娠に分けられるが、着床部位不明妊娠や子宮内外同時妊娠も存在する。
90%以上は卵管妊娠である。無症状の場合もあるが、無月経に続く下腹部痛と性器出血を認めることが多い。症状のみでは流産との鑑別が困難である。

検査

妊娠反応(hCG測定)、超音波検査、内診

治療

治療の原則は手術療法であるが、場合によって薬物療法や待機療法が考慮されることがある。

前置胎盤

症状

胎盤の一部または大部分が子宮株に付着し、内子宮口におよぶものをいう。痛みを伴わない突然の出血が特徴的で、少量から中等量の出血を繰り返すことが多いが、突然の大量出血となる場合がある。

検査

超音波検査

治療

出血が持続的にみられる場合や、その量が母体、胎児に危険を及ぼすほど多い場合には急速遂娩を考慮する。前置胎盤では帝王切開による分娩を選択する。分娩時には大量出血となるリスクが大きいため、十分に備える必要がある。

血液型不適合妊娠

症状

母体にはない血液型抗原が胎児に存在する場合を血液型不適合妊娠という。胎児血が妊娠初期より母体へ移行することで、母体が感作され、その血液型抗原に対する特異的抗体が賛成される。2回目以降の妊娠中に胎盤を通過して、胎児中に移行し、胎児赤血球を破壊し、新生児溶血性貧血をもたらす。

検査

血液型、不規則抗体検査、間接クームス試験、超音波検査

治療

ABO不適合妊娠では臨床的に問題となることは少ない。
Rh不適合妊娠においては、母体の感作予防のために妊娠中及び分娩後に抗D免疫グロブリンの投与を行うことが推奨されている。