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中央病理部・病理診断科



診療の特長・特色

中山 崇 医師

平成26年度より病理診断科を標榜し、病理診断科・中央病理部として診療にあたっています。現在、病理診断科外来は実施していないため、病理診断科を直接受診していただくことはできませんが、他院からの紹介患者様につきましては紹介受診された科からの病理診断依頼で持参標本の病理診断をおこなっています。

病理は全身の臓器・中央病理部組織を診断対象としており、院内のほとんどの科からの検体の診断をおこなっています。さまざまな科の臨床医からの診断依頼に対して確定診断をおこない、それにより診療方針が決まるなど、重要な部門で”Doctor of doctors”と言われています。

当院では迅速な診断、正確な診断を心がけています。
以下に当院の病理診断業務の概略を紹介します。対象疾患、診療実績とあわせてご覧ください。

組織診断(組織診)

病変の診断や治療の評価などを目的としておこなわれます。
生検検体、手術検体があります。術中迅速診断は広義には手術検体に含まれます。

生検検体
消化管内視鏡でなどで病変の一部を採取し、その診断をします。がんなのかどうか、がんであった場合、どのようながんなのかを調べます。採取された検体から病理組織標本を作製し、病理専門医が診断します。必要により免疫染色など詳細な検討もします。本院では通常、採取日の翌々日午後には診断報告がおこなわれており、至急の場合は最短で翌日~翌々日午前には病理診断報告が出ます。状況によっては生検→診断確定→手術までを1週間ほどでおこなう可能です。

手術検体
がんなどで切除された組織・臓器の診断をします。どのようながんか(組織型)、広がりはどのぐらいか、取り残しはないかなどを調べます。それらは臨床医が今後の予後を予測する判断材料となります。手術検体は生検検体より診断に時間がかかりますが、当院では患者様の退院までにできるだけ診断が出るように心がけています。

術中迅速診断
乳腺のセンチネルリンパ節や断端のように手術範囲・方法(術式)の決定をしたり、術前の病理診断が難しい腫瘍(脳腫瘍や一部の肺がん、軟部腫瘍など)の診断確定などを目的におこなわれるものです。最終的には手術標本での診断が必要ですが、手術中におおまかな診断を知ることができます。

ほぼ正常の膵臓の標本

膵臓のがん(腺がん)の標本

正常部と病変部(ここではがん)とを比べることで、細胞の性状の違い(異型の有無)、構造の違い(構造異常・構造異型)などから、がんの診断(悪性度、広がり、取り切れているかなどの評価)をします。

細胞診断(細胞診)

患者様の侵襲(負担)が小さい方法で組織診断より少ない検体を採取し検査、診断をおこなうものです。代表的なものとしては子宮頚部スメア、尿、胸水・腹水、喀痰などがあります。甲状腺や乳腺に細い針を刺しておこなう穿刺細胞診などもあります。がんなど、正常細胞と大きく細胞像が違うものは診断が容易ですが、一部のがんなどでは正常細胞との違いが少なく(=異型が弱いといいます)診断が難しいこともあります。
細胞診の検体処理は組織より早くおこなうことができるため報告は組織診断より早く最短で翌日、通常翌々日となっています。至急の場合は当日中に報告ができるものもあります。

細胞診標本の例

細胞診標本の例

病理解剖(剖検)

不幸にして亡くなられた患者様について、病気や死因をさらに調べたい場合に、ご遺族の承諾をいただいておこなうものです。全身臓器の観察と診断をおこない、個々の組織・臓器のみではわからないことを明らかにすることができます。組織診断、細胞診断よりも時間がかかりますが、医学の基本である人体の構造と機能、その変化を全身レベルで検討します。疾病の状態の把握と解析、死因の解明などが今後の医学の発展につながります。

病理検体について 病理診断のために採取された検体は標本、ブロック等として診療録(カルテ)同様、所定の期間保管されます(組織ブロックは現在半永久的に保管することとしています)。適正な診断業務(診断精度や水準の維持・向上)のため保管ブロック、標本を使用することがあります。 なお、研究に使用する場合は所定の手続き(患者様あるいはご家族の同意、倫理委員会等の審査など)が必要であり、これらの手続きなしに使用されることはありません。

対象疾患

病理は頭から足まで全身を対象としており、全科の疾患・領域を診断対象としています。本院でもほぼ全科から検体が提出されています。とくに消化器、婦人科領域の検体が多いほか、呼吸器、血液疾患も多くなっています。

組織診断(組織診)

一般的な傾向として消化管、婦人科領域、皮膚科領域の検体が多く、当院でも胃や大腸を中心とした上部・下部消化管症例が最も多くなっています。婦人科領域、皮膚科領域の疾患も豊富です。消化管領域では、大腸腺腫、大腸がん、胃がんを中心に食道がんや消化管間質腫瘍(GIST)などのがん・腫瘍の診断を中心に非腫瘍性疾患の診断もおこなっています。婦人科領域子宮頸部の異形成(上皮内病変)、子宮頸がん、子宮内膜増殖症、子宮体がん、卵巣腫瘍(良性、悪性)をはじめとした診断をおこなっています。皮膚科領域では有棘細胞がん、基底細胞がんをはじめ付属器の腫瘍病変のほか、湿疹、乾癬、苔癬、水疱性疾患、感染性疾患、血管炎・膠原病アレルギー性疾患ほか多彩な症例を扱っています。術中迅速としては、乳腺のセンチネルリンパ節や断端、消化管・消化器手術における断端のほか、婦人科では卵巣腫瘍の術中迅速が多くおこなわれています。

当院の特長としては、以下のような点が挙げられます。 消化器内科は消化管に加えエコー下の膵胆管系の生検にも力を入れており、細胞診検体とあわせて組織検体も提出される症例が多く見られます。また血液内科も充実しており、悪性リンパ腫や白血病や多発性骨髄腫ほかの骨髄検体も豊富です。

細胞診断(細胞診)

婦人科検体が最も多く、次いで泌尿器領域検体が多くなっています。これは当院に限らず一般的な傾向です。婦人科検体では腟・頸部の異形成病変が最も多く、頚部のがん、内膜細胞診(増殖症やがんなど)の診断をおこなっています。泌尿器領域検体は泌尿器科以外の科の尿検体も含まれ、泌尿器科の膀胱洗浄、カテーテル尿などとあわせ膀胱がんやそのた尿道のがんを中心に診断をおこなっています。

当院では消化器内科、呼吸器内科の診療が充実しており、膵胆管系のエコー下穿刺細胞診(EUS-FNA)検体での膵胆管腫瘍(胆管がん、膵がんなど)や喀痰、気管支擦過・洗浄細胞診検体での肺がん(腺がん、扁平上皮がん、小細胞がんなど)も多くなっています。ほかに、外科・耳鼻科の甲状腺穿刺検体も乳頭がん、濾胞性腫瘍のほか腺腫様甲状腺腫など症例が豊富です。

スタッフ紹介

病理診断医

医師名 職位 専門分野 専門医資格等
中山 崇 中央病理部長
主任部長
病理診断
細胞診断
日本病理学会認定病理専門医
学術評議員・研修指導医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
医学博士
村上 あゆみ 副部長 病理診断
細胞診断
日本病理学会認定病理専門医
研修指導医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
医学博士
大沢 淳子 非常勤 病理診断 日本病理学会認定病理専門医
研修指導医
医学博士
小池 千尋 非常勤 病理診断

臨床検査技師(細胞検査士)

技師名 役職 専門資格等
小澤 早苗 技師長 日本臨床細胞学会細胞検査士
国際細胞検査士
飯塚 ちづる 日本臨床細胞学会細胞検査士
国際細胞検査士
木村 由佳 日本臨床細胞学会細胞検査士
二級臨床検査士(病理学)
石井 輝子 日本臨床細胞学会細胞検査士
国際細胞検査士
二級臨床検査士(病理学)
日本臨床衛生検査技師会認定病理検査技師
山本 詩織

診療実績

病理診断科は院内各科からの病理検体について診断をおこなっています。精神科などごく一部の科を除き検体(診断依頼)があります。おもな診療実績は下記のようになっています。
なお、免疫染色は院内で自動免疫染色装置を用いておこなっています(2016年度の染色実績は約6400枚)。
乳がんのER、PgR、HER2、胃がんのHER2は院内でおこなっています。肺がん、大腸がんなどのEGFR、RAS遺伝子検査や肺がんのALK、PD-L1などの検査については外注で対応しています。

組織診断(組織診)

細胞診断(細胞診)

病理解剖(剖検件数)