自家末梢血幹細胞移植
はじめに
自家(Auto)末梢血幹細胞移植(Peripheral Blood Stem CellTransplantation; PBSCT)を使用した超大量化学療法は、70歳以下の多発性骨髄腫、再発悪性リンパ腫などに有効な治療法です。 抗がん剤を大量に投与するため、緻密な輸液・全身管理が必要になりますが、治療関連死亡率は5%以下であり、大がかりな設備や体制を必要としません。 当院でも、2016年度よりAuto-PBSCTを始めました。 この機会に、このAuto-PBSCT併用大量化学療法について、理解してもらえればと思います。
自家末梢血幹細胞移植とは
幹細胞を末梢血から採取して凍結保存しておき、抗がん剤超大量療法の直後に再び患者体内に移植する治療法です。
幹細胞とは
血液細胞は骨髄で造られます。骨髄中では、白血球・赤血球・血小板それぞれの系統の未熟な血球が増殖・分化を繰り返しています。そのほか、この3系統のどれになるか、まだ運命づけられていないきわめて未熟な細胞が存在します。これを造血幹細胞といいます。この幹細胞は、骨髄中には有核細胞の0.05%、通常状態の末梢血中には、0.002%以下含まれているといわれています。血球の回復期に骨髄から末梢血中に漏れ出してきます。
主な適応疾患は多発性骨髄腫、悪性リンパ腫
自家末梢血幹細胞移植の適応患者さんは、下記の条件となります。
- 大量の抗がん剤治療に耐えられる全身状態
- 原則として70 歳以下
- 造血能が保たれている
自家末梢血幹細胞移植によって出来ること
比較的若年者の悪性リンパ腫・多発性骨髄腫に対して、当院で一貫した治療が行えるようになります。
詳細
専門的な内容も含まれますが、下記リンクよりご覧ください。