膀胱がんの経尿道的レーザー蒸散術(TULA)
膀胱がんに対する手術療法
膀胱がんに対する手術治療は尿道から膀胱へ内視鏡を挿入し、病変を電気メスで切除する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)が一般的です。しかし、膀胱がんは再発を繰り返すことが特徴で、何度も手術が必要となる場合があります。
少しでも患者さんの負担を軽くするため、当院では比較的小さく、浸潤の弱い膀胱癌に対してダイオードレーザーを用いて腫瘍を蒸散する経尿道的レーザー蒸散術(TULA)を行っています。また、腫瘍の浸潤が強く、膀胱筋層(深い層)までがんが浸潤している場合は、膀胱全摘除術(ロボット支援手術)が適応となります。
少しでも患者さんの負担を軽くするため、当院では比較的小さく、浸潤の弱い膀胱癌に対してダイオードレーザーを用いて腫瘍を蒸散する経尿道的レーザー蒸散術(TULA)を行っています。また、腫瘍の浸潤が強く、膀胱筋層(深い層)までがんが浸潤している場合は、膀胱全摘除術(ロボット支援手術)が適応となります。
各手術療法の特徴
治療法や術式の選択については、患者さんの状態やがんの状況を総合的に判断して方針を決定します。
①切除法/経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)は尿道口から膀胱内へ内視鏡を挿入して電気メスで病変(腫瘍)を切除する方法で、最も一般的な治療法です。全身麻酔または脊椎麻酔が必要で、通常は4泊5日の入院治療となります。
②蒸散法/経尿道的レーザーアブレーション(TULA)
経尿道的レーザー蒸散術(TULA)は①TUR-Btと同様に尿道口から膀胱内へ内視鏡を挿入します。高出力のダイオードレーザーを病変部に照射して腫瘍を蒸散します。軟性(軟らかい)膀胱鏡を使用するため麻酔を必要しないのが特徴です。短期間(1泊2日)の入院治療が可能です。
③根治的膀胱全摘除術
がんの浸潤が強い場合など、経尿道的手術では切除しきれない膀胱がんに対しては膀胱を摘出する必要があります。膀胱を摘出した場合は尿の出口を新たに作る手術(尿路変更術)を同時に行います。当院では腹腔鏡手術だけでなく、ロボット支援手術も施行可能です。
経尿道的レーザー蒸散術(TULA)について
当院で行っている経尿道的レーザー蒸散術(TULA)は、日本では2024年2月に保険承認された新しい術式です。当院は2024年11月よりTULAを導入し、県内では数少ない治療可能な施設となっています。
(2025年7月現在)
(2025年7月現在)
経尿道的レーザー蒸散術(TULA)の特徴
- 止血効果の高い高出力ダイオードレーザーを使用
- 挿入時の苦痛が少ない軟性膀胱鏡を使用するため
局所麻酔(膀胱尿道粘膜麻酔)で施行可能 - 術後の膀胱留置カテーテル(尿を流すための管)が不要
- 従来の手術(TUR-Bt)より入院期間が短い
- 保険承認された術式であり、手術費用は従来の術式と同等